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■補足説明（仮）
幕張村「本郷」・・・平面的にいうと馬加城下の「道城根」の南から南の海辺に向かって細長く延びた一帯。字でいう「北本郷」（写真左外）・「中郷」・「南本郷」（写真左側）にあたる。馬加城（屋形）の城下集落に由来すると考えられる中世以来の幕張（馬加）の中心「本郷」である。なお幕張の北西、字「西鉄砲塚」「東鉄砲塚」「大道」「上ノ台」「西ノ谷」「宮ノ台」などの一帯につけられた「幕張本郷」という町名およびＪＲの駅名は昭和の開発にともない創作された地名である。歴史的根拠はない。
「房総往還」「千葉街道」・・・船橋で佐倉道（成田街道）から分岐し千葉、木更津をへて安房方面に至る江戸内湾沿いの街道を指す。参勤交代・江戸内湾の防衛線として重要な役割を果たした。幕張付近では国道14号線旧道にほぼ重なる。ただし「房総往還」は千葉県1990が採用した仮の呼称である。千葉県1990によれば、とくに船橋−木更津間で通した一定の呼称はなく、江戸期の道標では、江戸への道ということで「江戸道」と呼んだり、同様に「木更津道」「上総道」「房州道」などと記している。近代に至り東京−千葉間を「千葉街道」、千葉−館山間を「房総街道」と呼び、あるいは東京−千葉間を通して「房総街道」と呼んだ。「千葉街道」は現在でも使用されており、地元にとってなじみのある呼称であるので、ここでは「房総往還」と「千葉街道」を併用した。
「馬加宿」・・・継立場であり、問屋があった。
「幕張ファミールハイツ」・・・放送大学本部東向かいの高層集合住宅。1985年7月より後藤明生氏（故人）が居住し、窓から見える大須賀山の景観を材料に芸術選奨文部大臣賞受賞作『首塚の上のアドバルーン』を書いた。その後、大須賀山との間に高層ビルが数棟建設されており、おそらく現在同ハイツから当時の景観そのものを目にすることはできない。
「大道」・・・検見川にも「大道」という字名が残っているが、こちらにも存在する。官道すなわち古東海道（の支道）に由来する可能性がある。河野達二1997はこの「大道」とともに大須賀山塚裏の道祖神社の存在にも着目している。
| ●古東海道−「浮島」駅は幕張か？ |
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律令制下の東海道は、時代により変遷があるが、早い時期には、ヤマトタケルの伝説にあるように、三浦半島から富津に渡り、房総半島を北上、印旛方面に抜けるルートであったといわれる。
三浦半島−富津−上総国府（市原）−川曲（都川下流、千葉市寒川か？）−鳥取−山方−真敷−荒海 と千葉から北東に向かい常陸に入るルートである。武蔵国は東海道でなく東山道に属した。そこで下総国国府（市川）と東海道本道を結ぶ支道が重要になってくる。 下総国府（市川）−浮島（幕張？）−川曲 というルートである。この「浮島」の駅が現在のどこにあたるかはっきりしないのだが、幕張に比定する見解があり、この点でも「大道」の字名は注目される。なお「上の台」の西に「奥島」という字があり、「浮島」の駅との関連でいささか気になる地名である。 |
「宮ノ台」砦・遺跡・・・写真で見るとひどい虎刈り状態であるが、浅間神社がある舌状台地の先端部を残して開発された結果である。千葉県文化財センター1998によれば、「上ノ台遺跡」に含めているが、縄文早期・前期、弥生後期、古墳時代中後期の遺跡である。園生貝塚研究会では北隣の「上ノ台遺跡」と独立に「宮ノ台遺跡」としている。『千葉市史』では「宮ノ台砦」とし土塁・空堀・腰曲輪の遺構を記載している。ほとんど開発されてしまった現在、確認することは期待薄だが、城郭跡としては疑問がある。浅間神社の傍らに円墳が一基残る。
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