埋文委 第2号

2004年5月11日

要望書

文化庁長官  河合隼雄 様

千葉県庁知事 堂本暁子 様

千葉県教育長 清水新次 様

千葉市長    鶴岡啓一 様

千葉市教育長 飯森幸弘 様

日本考古学協会       

埋蔵文化財保護対策委員会

委員長 近藤英夫     

 

花輪貝塚の保存に関する要望書

 千葉県千葉市若葉区加曽利町に所在する花輪貝塚は、縄文後期の大規模な環状貝塚として知られている遺跡です。都市化の著しい千葉市の中でも、貝層の遺存状態が極めて良好な稀有の貝塚ですが、2003年に花輪貝塚主体部のほぼ全域にわたり宅地造成の申請が出され、その保全が緊急課題となっております。

 本貝塚を含む東京湾北東湾岸地域は、大規模な環状貝塚が多数分布し、一大貝塚地帯を形成しており、地域の歴史的個性の柱になっております。その中でも特に千葉貝塚(貝塚町貝塚群)を中心とする葭川・都川流域は、貝塚の規模・稠密度においてまさに貝塚地帯の核となっております。直径約120mの大形の貝塚である花輪貝塚は、この貝塚最密集地帯を構成する主要な貝塚であり、本地域の歴史的特性を理解する上では考古学上極めて重要な遺跡と言えます。

 一般的に加曽利貝塚や千葉貝塚等の巨大貝塚は、台地の最も高い堤部に貝塚が形成されることが多いのに対して、花輪貝塚は台地縁辺から斜面にかけて形成されておりその立地に特徴があります。また、貝層が縄文時代後期の堀之内1式期と時期的に限定されており、カガミガイの割合が多い貝種組成が葭川・都川流域の他貝塚に比べ個性的であること等、縄文時代の社会的関係を捉える上で、その研究上欠くべからざる遺跡であります。

 さらに花輪貝塚の立地する台地の平坦部には、土師器・須恵器が大量に散布しており、奈良・平安時代の墳墓も発見されています。表面採集調査でも、旧石器時代を始めとして中世・近世の遺物も採取されており、旧石器時代から近世にわたる大規模な複合遺跡であることが明らかになっております。

 このように花輪貝塚およびその周辺地域は、考古学研究にとって重要と言うばかりではなく、この地域の歴史を紐解く上で貴重な場所と判断されます。そのためには、当該地域に対する周到な調査と景観の保存が、早急に求められる必要があると考えます。

 以上のことから日本考古学協会保護対策委員会は、国民的遺産である遺跡の有効な保護・活用の観点から、下記の通り要望いたします。

1.沖積地にいたる台地斜面などの周辺地域を含めて遺跡を現状保存し、史跡として整備し、将来にわたり保護・活用を図られること。

2.千葉市で実施した当該地域に対する確認調査の結果を速やかに公表し、花輪貝塚含めた周辺地域の景観保全の方途を検討すること。

以上

 

「花輪貝塚の保存に関する要望について」

花輪貝塚(千葉市若葉区加曽利町) 千葉市の貝塚群資料

空撮 加曽利・花輪貝塚

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