遺跡めぐり
  2004年7月25日(日)

坂月をあるく  (1)縄文遺跡

― 千葉市若葉区小倉町・坂月町・千城台西3丁目・2丁目 ー

モノレール・千城台北駅改札口前(10:00集合) → 中雉(なかなぎ)遺跡(千葉東警察署付近) → 蕨立(わらびたち)貝塚跡 → さら坊貝塚跡 →味噌草野遺跡坂月台貝塚坂月古墳(坂月小学校前) →家ノ上古墳群坂月神社→バス停「坂月」(国道126号線) (12:00頃、解散)

集合地点地図  遺跡めぐりのお知らせ 

1/25,000地形図:■千葉東部(南西)    
                               国土地理院地形図閲覧システム。閲覧のみ。

 

▲中薙遺跡

 小倉町字中薙(なかなぎ)。千城台北駅より歩いてすぐのところです。縄文中期。写真前方の建物は千葉東警察署。同署の敷地(標高33m)は、その建設の際、発掘調査が行われました。竪穴式住居や土坑が見つかっています。竪穴式住居(4軒)は写真前方右側。土坑は写真前方左の付近に位置していました。土坑は落とし穴と推定されています。

▲ 中薙遺跡で落ちていた土器片

 気をつけてみると、隣の畑では土器片が落ちています。貝殻も限られた箇所ですが見かけます。住居跡に投棄された小さな貝層と思われます。90%はイボキサゴ。ほかはアサリなど。

▲山ノ越第一遺跡下

 千城台西野鳥観察園(調整池)近くの木陰で蕨立(わらびたち)貝塚、さら坊貝塚の説明を受けているところです。写真の台地の上も縄文時代中期の山ノ越第一遺跡です。

 蕨立貝塚は、縄文時代中期・後期の直径約100mの点列環状貝塚でした。さら坊貝塚は、縄文時代中期・後期の直径3〜5mの小貝塚が10ヶ所分布していた点列環状貝塚です。貝塚の形成が続けば、加曽利南北貝塚や荒屋敷貝塚・草刈場貝塚のような完全な環状の貝塚になったでしょうが、何らかの事情で、途中の点列の段階でとまったようです。

▲黒曜石のチップサンプルで説明

1979年の蕨立貝塚の発掘調査では計1700gの黒曜石チップが発見されました。これほどの量の黒曜石チップがまとまってみつかることは稀です。とくに縄文時代中期初頭の第47住居からは385点752gが集中的に見つかっており、黒曜石の原石をヤジリなどに加工していたところと見られます。蛍光X線分析により、これらの原石は伊豆の神津島産であることがわかりました。

 ▲自作の縄文土器・浅鉢での説明

 浅鉢も出土しています。浅鉢はどこでも見つかるようなものではありません。何かこれを使う必要のある特殊な作業をしていたと推定されます。

 

 ▲蕨立貝塚の石碑

 飯島整形外科医院の北、送電線の下の緑地の中にあります。蕨立貝塚の中心の本当の位置は北西約200mのところです。さら坊貝塚は西約300m。いずれも1965年に開始された「坂月ニュータウン」(現在の千城台)の大規模開発で消滅しました。蕨立貝塚に関しては貝層部にかぎり不完全ながら調査が行われましたが、さら坊貝塚そのほかの遺跡は未調査でした。

▲味噌草野遺跡

 最近、千城台から坂月に抜ける道路が開通しました。建設に伴う調査で、平安時代の住居址が発掘されました。また文字を書いた墨書土器もみつかっています。

 写真の左の森は坂月台貝塚の範囲。

▲味噌草野遺跡の土器片

 畑には土師器や須恵器などのかけらが落ちています。

 

▲坂月台貝塚

 坂月市民の森とその南の畑の付近が坂月台貝塚(畑の部分)です。縄文時代中期・後期・晩期。東西約90m、南北約150mの点列環状貝塚。

 蕨立貝塚・さら坊貝塚・坂月台貝塚は南北に近接して存在しており、同時代の包含層が広がっていることから、3貝塚をふくむ広域の集落が展開していたと推定されます。(→園生貝塚研究会 坂月台貝塚」※『千葉市遺跡地図』は「台さら坊遺跡」とするが、採用しない。

▲坂月台貝塚の貝層付近(左)

 一段高い畑の斜面の際に土器片や貝殻散布が見られます。酒詰仲男によれば、縄文時代後期前半(3500年前)の貝層で多量の黒曜石チップが見つかっています。千葉市では縄文時代後期になると、黒曜石製の石器が大幅に減少しているということです。ここの遺跡の意味は重要です。

 

▲坂月台貝塚

 寄せ集められた土器片。

坂月小学校前を通り、坂月古墳の方へ向かいます。
縄文遺跡の現地説明はyygucciさんにお願いしました。詳しい説明を聞きたい方は千葉市の貝塚で。

坂月をあるく (2)坂月古墳群

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