遺跡めぐり
  2004年4月4日(日)

都川・鹿島川上流 内陸貝塚をあるく (2) (仮)

― 千葉市若葉区野呂・緑区高田 ー 

バス停「宮田」先−佐倉道−野呂山田貝塚−鹿島川(支流=平川)−農政センター・芳賀輪遺跡 豪族居館跡妙興寺(館)お杖桜上人塚八反目台貝塚慈眼寺(清水不動)六社神社泉自然公園(午前の部解散)−花見&昼食・休憩−誉田高田貝塚(解散)−JR誉田駅

見学場所周辺図 集合地点地図  イベントお知らせ2004年4月(交通アクセス等) 

1/25,000地形図: 千葉東部(南東) 野呂山田貝塚 蘇我(北東) 八反目台・誉田高田貝塚
                               国土地理院地形図閲覧システム。閲覧のみ。

 

 妙興寺は1275年創建の由緒ある日蓮宗のお寺です。本堂が現在地に移ってきたのは、1862年です。

 妙興寺の土塁。

現在地には土塁等の痕跡がのこっており、故武田宗久氏は中世城郭と推定しています。土塁は、コの字をなしたものがあったり、文字通りのジグザクであったりして、なかなかの難物です。

 

お杖桜。昔、日蓮上人が妙興寺を訪れたとき、ここに杖を指したところ、根がつき、花が咲いたといういわれのある桜の木です(別称、お手植えの桜)。

 もともと妙興寺は、八反目台貝塚の付近に創建されたのですが、1569年、里見軍の兵火を受け、焼失。1575年、原氏の有力家臣、斎藤胤次からこの付近(ハガ山)の寄進を受けこの地に再興されました。本堂は、1834年山火事の延焼で焼失するまで、この付近にあったということです。

 上人塚。妙興寺の開祖、日合上人(?-1293)の御墓所です。歴代の妙興寺の住職の墓石も並びます。日合上人は、天津小湊の領主、工藤吉隆の弟で、日蓮の高弟日朗の門下だそうです。妙興寺が最初に創建されたのはこの上人塚の東と伝承されています。東には「別房」という小字名も残っています。一方、園生貝塚研究会は、この付近について、考古学的見地から、中世の館址または寺院址の可能性を指摘しており、伝承と符合します。

 八反目台貝塚(はったんめだい)。上人塚を中心とするその周辺は、八反目台貝塚でもあります。鹿島川支流の二つの谷にはさまれた標高43〜54mの台地上、に立地し、東西約120m,南北約60mを範囲とする点在貝塚です(縄文後期・晩期)。写真の左前方下は百万本支谷。

 落ち葉をどけると、貝殻が。 主な貝種はキサゴ、ハマグリ。野呂山田貝塚と同じく、鹿島川支流に面していますが、都川を下り、東京湾で貝を採取していたと考えられます。土器片の散布も稠密で、土器塚状の箇所もあります。この点は鹿島川が注ぐ古鬼怒湾(印旛沼)方面の遺跡の特徴と共通します。

 八反目台貝塚の縄文人たちが通った可能性のあるルートを想定して、泉自然公園へ向かいます。途中、慈眼寺(清水不動)の前を通ります。妙興寺の末寺。8月27日の祭礼にはにぎわうとのこと。桜の名所でもあります。

清水不動の滝。不動明王が出現したといわれている滝の場所ですが、現在は水がありません。かつてはここの湧き水は無菌で、眼によいといわれていたそうです。またいぼとりに効き、「いぼとり不動」とも呼ばれていたとのことです。

 鹿島川支流の谷をわたり、六社神社へ。伝承では鎌倉時代創建です。老木のたたずまいが歴史を感じさせます。近くには御陣屋という地名があり、土塁が最近までまわっていたとのことです。

泉自然公園。八反目台貝塚の縄文人たちは、公園の北側の谷を通って、都川に出たのではないか、と想像するのが自然でしょう。都川に出る箇所に川井貝塚があります。

 泉自然公園で昼食をとり、われわれは八反目台貝塚の西側の鹿島川支谷をさかのぼって、誉田高田貝塚へと向かいます。

 泉自然公園から徒歩50分。かの有名な誉田高田貝塚です。これぞ貝塚という現状を残しています。すばらしい!

yygucciさん提供の写真を一部使用させてもらっています。いつもながら感謝!!

都川上流 内陸貝塚を歩く(1)−野呂山田貝塚・芳賀輪遺跡 へ

(参考)

武田宗久「千葉市の散歩道」。千葉市観光情報 「11.泉自然公園と田舎コース」

千葉県史料研究財団1998 『千葉県の歴史 資料編 考古3(奈良・平安時代)』。

千葉県史料研究財団2000 『千葉県の歴史 資料編 考古1(旧石器・縄文時代)』。

千葉県文化財センター1999 『千葉県文化財センター 研究紀要 19』。

前角榮喜氏作成資料。

園生貝塚研究会 on the web

千葉市の貝塚 
    ※貝塚を追究しているyygucciさんのwebサイト。誉田高田・八反目台・野呂山田貝塚のレポートがあります。

房総の文化財 誉田高田貝塚 

 

(関連)

千葉市農政センター

 

△このページの最初へ

●本館メニューへ

●新館トップメニューへ


| 本館トップメニュー |新館トップメニューパノラマ砦|
| ごあいさつ| 掲示板 / 旧掲示板/投稿上の注意| | 活動記録(遺跡めぐり以外)|  
お知らせ|
利用上の注意| リンク集  |


千葉市の遺跡を歩く会
COPYRIGHT 2000
aruke
chibaiseki@yahoo.co.jp

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送