▲ 「井野っ子山」−井野小学校の自然観察園
環状盛土北側のうちの西の部分。井野っ子山の南端から北向きに撮影している。ご覧のとおりこちらから見て前方(北)は周辺にくらべ高くなり、さらに北にいくと低くなる。現在の高低差は1mとのことである。2002年3月の第5次調査はこの井野っ子山を対象として行われた。南北8本、東西1本のトレンチ(幅2m)を入れる調査であったが、幸いなことにここも表土から20cm掘ると縄文土器(後期から晩期がほとんど、わずかに中期)が多数出てくる状況だったとのこと。縄文時代の盛土が無事残っていたということである。調査範囲の中央で遺物が多く、遺物の出るところ、出なくなるところの範囲がはっきりしており盛土の範囲をある程度推定できるようだ。調査区東側の一番高い地点(おそらく写真右付近)の深さ35cmのところでは貝塚が見つかった。25cmから40cmほどの貝層で、淡水と海水の入り混じる汽水で採れるヤマトシジミがほとんどだが、オキアサリ、ハマグリ、ムラサキガイ、マテガイなど海で採れる貝も混じっていた。さらにボラ、クロダイ、エイなどの魚の骨、ウロコもみつかったそうである。盛土の下には多数の住居の柱穴も発見されている。写真中央前方付近は晩期の住居跡が検出された場所ではないかと思われる。
次は井野小学校校庭の発掘現場(写真左背後)へつづく―― |