2013−6−16(日) 

於:馬場小室山遺跡→三室公民館

参加各位                                          「馬場小室山遺跡研究会世話人

馬場小室山遺跡フォーラム」第57回ワークショップ

【パブリック・アーケオロジー入門】

馬場小室山遺跡を形成した「見沼文化」(人類活動と環境変遷)の追及、そして未来への展望と継承

1.【活動】 「見沼フィールド・スタディーズ」参画の眼 : 見沼を舞台とした環境適応の人類史

(1)【「見沼文化」の1万年を体感する!】 見沼をのぞんだ縄文むら 

溺れ谷の周辺を歩いて立地を確認する。弥生時代後期の馬場北遺跡からの眺望は絶景。

(2)【「見沼文化」の拠点集落を歩く!】 馬場小室山遺跡の全体構成 

馬場小室山遺跡の調査地点を歩いて調べる。現代の道路の下に住居址が多数検出。

(3)【拠点集落の最後の姿を確認する!】 「土塚」と「第51号土壙」と中央窪地 

「環堤土塚」の要である大土壙の位置を確認する。「土塚」と大土壙がペアになる社会関係が重要。

2.【オプション】 青空考古学教室 : 縄文土器による塩づくりの効率化と分業構成、そして馬場小室山遺跡

・時間が許せば、馬場小室山遺跡から検出された粗雑で薄手の無文土器に注目します。

3.【特定課題】 縄文土器による塩づくりの効率化と分業構成を理解するための基礎的研究

2013年度からの特定課題研究として、馬場小室山遺跡から検出された「製塩土器」の意義を追及するテーマを新たに設定しますので、印象風土の立論に向けて多様な視点を認知し大いに議論しましょう。

今回のテーマと演者:「古鬼怒湾・古霞ヶ浦湾沿岸域における縄文時代の塩づくりについて

鴨志田 隼司(明治大学考古学専攻OB)

概要:茨城県広畑貝塚出土の素縁無文深鉢形「粗製土器」は,帰納的方法で近藤義郎により,1960年代に製塩土器であろうと立証された.その後,関東地方東部における製塩土器について,広畑貝塚出土の灰白色物質中の葉上性環形動物のウズマキゴカイの検出と千葉県八木原貝塚出土の後期後葉の無文土器内側の多孔質層内の土から検出された海水藻場付着指標種群の珪藻化石から自然科学的方法により最古の製塩土器の可能性が示唆されている.

しかし,塩づくり土器という考古資料のみだけでなく,その用途,すなわち土器から塩づくり活動のプロセス中の如何なる場面が想定できるかについては課題とされている.

そこで縄文時代における塩づくり活動プロセス検討のため,以下について若干の概要を報告する.

     1.塩づくり土器の口縁部形態を中心とした型式学的分類を基に,塩づくり土器形態の再検討

      ・塩づくり活動プロセス中における深鉢形土器と浅鉢(鉢)形土器の存在について

      ・深鉢および浅鉢(鉢)土器の使い分けによる塩づくり活動プロセスの検討

     2.茨城県法堂遺跡の考古資料の再検討による塩づくり活動実態への接近

      ・縄文時代後・晩期における古鬼怒湾・古霞ヶ浦湾の古環境復元への試み

      ・縄文時代における塩づくり活動に必要な諸因子の推定

4.【「山田湾まるごとスクール」事前学習会】 :「古代の山田湾文化を知る!」ための検討会

(1)若手による新たな可能性の曙光 : 個別研究から地域研究への脱皮を目指した新たなる模索!

 ・木村 恵理  「奈良・平安時代の考古学概論」 / コメント:齋藤 弘道

 ・五十嵐 聡江 「房の沢古墳群と沢田I遺跡からみた生業について」 / コメント:齋藤 弘道・鈴木正博

(2)古代を観る視点の先史型式学からの新たな可能性 : 律令の展開を阻む環境変動への適応に注目!

      ・鈴木 正博 「奈良・平安時代の気候変動と山田湾文化」

1976年に水戸市南台遺蹟の土師器と須恵器を紹介したおり、「鬼高式」後半期以降の土師器甕の動態と付加条縄紋の分布に関心を示し、律令時代と言えども日常什器レベルにおける規制は在地の伝統が強いことを示唆した。当時も岩手県まで文献サーベイしたが、残念ながら目的とする良好な土師器資料に恵まれなかった。分布論による現象だが、水戸市の土師器が内包する伝統性の追求には東日本全体の受容地域社会の動向が要となるが、では、そうした研究はいつ始めるか? 今でしょ!

5.【連絡】 その他活動連絡・予定

(1)第2回山田史談会・山田湾まるごとスクール交流研究集会(山田町教育委員会共催)

6/22 (土) 14:30〜17:00 於:山田町中央公民館    以 上

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