2012−4−14(土)
於:埼玉県立近代美術館→さいたま市立博物館→来居夢
参加各位 「馬場小室山遺跡研究会」世話人
「馬場小室山遺跡フォーラム」第53回ワークショップ
【パブリック・アーケオロジー入門】 馬場小室山遺跡を形成した「見沼文化」(人類活動と環境変遷)の追及、そして未来への展望と継承 |
1.【活動】「見沼文化」2012感謝祭(5/4(みどりの日))の準備
(1)広報用カラー・チラシの作成 :事務局長(飯塚邦明)担当
(2)遺跡観察会&「青空考古学教室」の資料作成 :「馬場小室山遺跡研究会」担当
(3)お茶などの準備 :お茶(24本)・カルピス・ウォーター(30本)準備済
2.【報告】井出政男氏からの手紙:「見沼シャモット弥生」について土器制作からのコメント
・土器の混和材としてシャモットの他に石英や軽石が使われていたことを初めて知りました。
粘土に混和材を混入する目的として
@
脱粘剤として粘りを抑えて作り易くする A収縮率を下げて割れを防ぐ(乾燥)
A
耐火性を高めて割れを防ぐ(焼成) C煮沸時の胎土の膨張による割れを防ぐ(煮炊き)
などが考えられます。
石英・軽石ともに上記の要件を満たしていると思いますが、軽石は吸水性がありますから水分が抜けたあと、そこに気泡が生じて割れを引き起こすことがないか、多少心配です。
・大宮台地の弥生後期土器に何故、シャモットが混入されていたのかという点を考えてみました。
下末吉海進(12〜13万年前ピーク)によって関東平野には広く海が入り砂丘が形成され、上総層群の中の砂層として現在も地中深くに堆積しています。
縄文時代の見沼低地は現在よりも深い谷となっていましたから、縄文人は台地の集落から谷へ下りて砂を採取し、土器に混ぜたのでしょう。
ところが海が退くことによって谷は台地から流れる土によって埋められ沖積低地となり、弥生時代には砂層は地下深くに埋まってしまい、弥生人が採取することはできなくなった。
そのために砂の代りにシャモットを混和材として利用するようになったと考えられます。
・見沼低地を流れる芝川の源流域には砂の元となる岩石はなく、関東ローム層の火山灰のみです。
大河川の荒川や県西部の都幾川・市野川の源流は秩父山地ですから岩石が風化し細かくなった砂が河川流域に堆積しています。
よって、川砂が容易に入手できる埼玉県西部の弥生土器には砂が混和材として利用されることが多く、シャモットを利用することは少なかったと考えることができます。
・果たして川砂よりもシャモットの方が混和材として優れているかどうか。いずれにしても混和材の混合は土器制作及び焼成後の土器の機能性を高めることを目的として行われたわけですから、これはやはり、制作実験をして確かめてみないとわからないことです。
いずれ馬場小室山遺跡近くで採取した粘土にシャモットを混ぜて制作してみようと思っています。
・昨夏の個展後の8月・11月・12月の土器焼成では全体の約80%程の土器が破砕してしまいました。粘性の強い丘陵地域の粘土が中心ですのでその減少率に問題があるようです。各々の混合比率を変えて制作し、これから3月・5月・7月の野焼きで焼成する予定です。
それらの結果も含めて、7月25日からの個展で展示したいと思います。
3.【連絡】その他活動連絡・予定
(1)国立科学博物館から「2012夏休みサイエンススクエア」出展のご案内
(2)第6回ユネスコ・未来遺産 見沼たんぼプロジェクト推進委員会(3/12)
(3)井山紘文展2012「Field note−MINUMA−I」(4/10〜4/15 於:埼玉県立近代美術館)
(4)人間学研究所でパブリック・アーケオロジー紹介(5/25予定:鈴木・蕨俊夫対応)
(5)日本考古学協会総会・研究発表会で【見沼シャモット弥生】発表(5/27:馬場小室山遺跡研究会)
(6)井出政男個展「・・遥かな縄文土器」(7/25〜8/12 於:ギャラリー風画)
以 上
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