２０１１−５−４（みどりの日・水）　

於：三室公民館

参加各位　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「馬場小室山遺跡研究会」世話人

「馬場小室山遺跡フォーラム」第４９回ワークショップ

【パブリック・アーケオロジー入門】 馬場小室山遺跡を形成した「見沼文化」（人類活動と環境変遷）の追及、そして未来への展望と継承

１．【活動】「見沼文化」2012感謝祭の企画：「見沼フィールド・ミュージアム構想」に向けた準備

★２０１１年度の｢ｸﾘｰﾝｱｯﾌﾟ大作戦」は従来の感謝祭という意義ではなく、３・１１東日本大震災による甚大な被害（巨大地震・超津波・福島第１原発事故レベル７で進行中）、行方不明者が未だ１万人超という現実への鎮魂祭とします。足元を固めると同時に今回の鎮魂祭を契機とし、2012年度からは「ｸﾘｰﾝｱｯﾌﾟ大作戦」をより地域に根差した生活者の視点として展望したいと思いますので、今回はその準備を兼ねます。

１−１．「見沼文化」としての「ｸﾘｰﾝｱｯﾌﾟ大作戦」へ

（１）馬場小室山遺跡の水辺に目を向けよう！

・井山紘文さんのジオラマが馬場小室山遺跡の基本的な集落構造となります。かつて千葉市加曾利貝塚や貝塚町貝塚群（千葉貝塚）の保存運動で遺跡の考え方が議論されてきましたが、居住と生業、そして交通が集落を構成する要件ですが、とりわけ水辺は生命維持にとって必須です。

・馬場小室山遺跡は多方面との交流がもたらす異系統の文物が多く、その交流を支えているのが居住地の眼下に広がる見沼の存在です。馬場小室山遺跡を理解するには水辺を知る必要があります。

（２）馬場小室山遺跡と東京湾の往還：芝川の清流化

・では、馬場小室山遺跡の「製塩土器」はどのように考えたらよいのでしょうか。塩づくりを行っているむらとの交流結果でしょうか？わたしたちは現在のような治水がされない場合の河川と東京湾の潮汐の関係に注目し、交流のみならず、東京湾との往還も生活誌に組み込みました。

・史跡の部分だけの清掃活動から、「見沼文化」としての「ｸﾘｰﾝｱｯﾌﾟ活動」へと軸足を移します。

１−２．「ｸﾘｰﾝｱｯﾌﾟ大作戦」を通して地域の街づくりを考える

・市史跡・馬場小室山遺跡の周辺について「見沼文化」を考える視点から現状調査を行います。

発端は４／１７（日）の2011年度総会（緊急対応で事務局会を総会とする）で飯塚一恵さんが紹介された「まちづくり通信」第９号における民有水路の整備事業であり、わたしたちが「縄文のせせらぎ」と呼んでいた水路に工事計画が・・・。

２．【報告】「見沼文化」2011復活祭＆熱中祭：パブリック・アーケオロジー実践企画

（１）「見沼文化」2011復活祭（５／２９（日））：日本考古学協会第77回総会・研究発表会・ポスター発表

・発表テーマは「馬場小室山遺跡とパブリック・アーケオロジー研究（第三章）　―未知なる「見沼文化」への憧憬と知の革新―」としました。レジュメには考古学が成長するための活動としてパブリック・アーケオロジー研究が必須との考え方を体系的に展開しましたが、当日のポスター発表環境は制約が多いため、「見沼文化」と市民の間をつなぐ実践的考古学メディア概念として『みぬまっぷ』とその成長について議論します。

（２）「見沼文化」2011熱中祭（7/29・30・31・日程調整中）の企画と協力依頼

・国立科学博物館の「夏休みサイエンススクェア」に応募し（４／１９）、現在、日程調整中。

・今回は3･11東日本大震災に対する鎮魂と希望を「ムロさま」に託して子供たちと「心のケア」を考えます。テーマは「縄文の祈り―「見沼文化」三千年前の顔はみんなの願い！―」としました。

・次回のワークショップ（６／１９（日））で熱中祭の準備（展示用プラ板作成など）を行います。

３．【参考】「見沼ﾌｨｰﾙﾄﾞ・ﾐｭｰｼﾞｱﾑ構想」推進状況：パブリック・アーケオロジーの将来

（１）ユネスコ「未来遺産」登録に向けて（４／１１）

・１２の市民団体と埼玉大学の２研究室が設立発起団体として、4/11にユネスコ「未来遺産・見沼たんぼプロジェクト」推進委員会が発足し、馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムも設立発起団体に加わり、その事務局長をサポートする役割が与えられました。次回は５／９（月）。

・ユネスコ「未来遺産・見沼たんぼプロジェクト」は現在の市民活動を「普及啓発活動」と「青少年・家族等の人材育成活動」面から強力にサポートすることを目指します。

（２）見沼フィールド・ミュージアム勉強会（４／１２）

・大田堯実行委員長宅にて月に１回の勉強会（今回は井山さんと鈴木が参加）。３・１１の世界各国の反応をトリビューン誌から紹介し意見交換など。次回は５／２３（月）１３：３０から。

以　上