【見沼フィールド・ミュージアム勉強会資料】
2011−1−17
馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム 鈴木 正博
見沼田んぼ周辺地域における遺跡保存の現状と課題
1.<価値の認識>遺跡保存の「こころ」―遺跡はなぜ壊されるの?―
・遺跡はどこにあるの? ・遺跡はなぜわかるの? ・遺跡はだれのもの?
・遺跡は役に立つの? ・遺跡と史跡は違うの? ・史跡と関係ある遺跡はないの?、等々
【こころ】遺跡とは何か、見たいと思いませんか? ●5/4に史跡のクリーンアップ大作戦実施!
【課題】・個別の文化財指定から文化遺産への脱却 ・史跡単独主義から地域の歴史復元活用型へ
2.<価値の矛盾>遺跡保存の「すすめ」―立場の違いは超えられるの?―
・遺跡はだれがまもるの? ・史跡の隣なのになぜ保存しないの?
・なぜ史跡にならないの? ・遺跡に家は建てられないの?
・遺跡の発掘は何のため? ・発掘はだれでもできるの?
・発掘した成果はだれのもの? ・発掘した跡地は遺跡なの?、等々
【すすめ】考古学とは何か、地中の秘密を知りたいと思いませんか? ●適宜ワークショップ開催!
【課題】・バッファーゾーンの史跡指定 ・市民向け現地説明会の充実やと学校教育への活用
3.<価値の総合>地域の「きずな」―見沼田んぼ、よいとこ一度はおいで!―
・地域の遺跡はどこにどのくらいあるの? ・どのくらいの古さのどのような遺跡があるの?
・古い時代の環境がなぜわかるの? ・古さによってなぜ遺跡の数や場所がかわるの?
・それらの遺跡は相互のかかわりはないの? ・遺跡のまとまりはどのような意味があるの?
・全体を見渡したことはあるの? ・見沼田んぼの下は分かっているの?
・どこまで海が入ってきたの? ・見沼田んぼのお米つくりのルーツは?、等々
【きずな】浦和市史ではできない、大宮市史でもできない、これまでだれも知らなかった見沼田んぼと
いう地理的単元における「見沼文化」の形成史を体感したいとは思いませんか?
●市民フォーラムとして『みぬまっぷ』などパブリック・アーケオロジーを展開中!
【課題】・「歴史まちづくり法」(「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」平成20年)
を人類史としての経緯まで深耕し、運用管理はより柔軟性を高めた能動的活用の条例化
4.<価値の継承>未来の「すがた」―見沼田んぼで遊び、学び、そして出会い!―
・遺跡は歴史的景観で、都市的な生活環境に幸福感をもたらす存在として重要である。
馬場小室山遺跡の保存も当初は生活者の視点による里山保全運動から始まり、最終的には市有地が史跡指定となった。本来遺跡は日常生活において遊び場など空気のような存在であるのが望ましい。しかも学術資源の宝庫として子供たちの授業の場として多様な活用が望まれる。
・やがて馬場小室山遺跡に学んだ子供たちは満足感で自信を深め、更に広い世界の「見沼文化」も知りたくなる。芝川や加田屋川を羅針盤として「見沼文化」の広大さに驚くとともに見沼田んぼを誇りとする郷土愛が育まれるであろう。見沼田んぼをテーマとした文化芸術やお花見はデートの場となり、結婚後住む場所が違えども郷土への訪問者として孫等に自慢するに違いない。
【すがた】「見沼フィールド・ミュージアム構想」の真の定着による新たな人間関係の創出に期待!
5.<価値の連鎖>馬場小室山遺跡の「ひとりごと」―「見沼フィールド・ミュージアム構想」を穿つ!―
・遺跡保存は手段であり、目的ではない。遺跡に問題が発生すること自体、その背後には環境に急激な変貌を及ぼす要因が控えている証拠であり、少なくとも自然の法則とは無縁の経済効率を重んじる意思決定であろうことは間違いない。現下の経済活動には緩急あるものの開発を最優先とする政策を続けると思われるから、常に遺跡保存には問題が発生する構図となる。
・問題が発生しない理想郷を夢見る活動とは異なり、「見沼フィールド・ミュージアム構想」は現代社会における諸問題解決と向き合う場を提供する、地域全体かつ老若男女の学び舎となる。
以 上
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