2010年09月08日受信メール

パブリック・アーケオロジーに関心のある各位
 
 台風の季節になってまいりました。例年のように自然の力を見せつけ
られることでしょう。
 秋には文化の力も考えてみたいと思います。これまで馬場小室山遺跡
の保全・活用活動を通してパブリック・アーケオロジーの重要性を認識する
ことができました。
 
 馬場小室山遺跡のパブリック・アーケオロジーによって新たに創作された
現代文化があります。「オムちゃん」や「ムロさま」、そしてジオラマになった
馬場小室山遺跡と「第51号土壙」です。教育委員会が記録保存した発掘
調査報告書の徹底活用が生み出した新しい市民文化です。
 
 発掘調査報告書は誰のためにあるのでしょうか、パブリック・アーケオロジー
によってそれが市民のものであることは明らかでしょう。遺跡の発掘調査報告書
は地域の歴史・文化ですので、すべての市民にとって享受できるものでなければ
なりません。
 しかし、実際には予算・期限・人材・設備などの制約によってどうしても不備な
報告書にならざるをえません。
 
 もちろん、このような不備を市民に押し付けることはできません。しかしながら、
現在の行政機構ではそれを補う人材が育成されておりません。
 そこでパブリック・アーケオロジーの果たすべき役割の一つとして「学術ボランティア」
があります。
 
 わたしたちは馬場小室山遺跡の保全・活用を契機として、それが見沼をのぞんだ
縄文むらであることから、馬場小室山遺跡と同じように見沼をのぞんだ縄文むら
の全体像を検討してきました。それは『みぬまっぷ』と名付けられました。
 この『みぬまっぷ』は川口市・旧浦和市・旧大宮市・上尾市を網羅しました行政区画に
とらわれない、見沼周辺という地理的単元における先史文化の動態を「見沼文化」
として導き出す仕掛けですが、ここから「見沼フィールド・ミュージアム構想」の一端が
見えてきます。
 
 さらに「見沼文化」を鮮明にするために、これまでは東京湾との関係にも注意して
きましたが、よくよく考えてみますと東京湾では荒川の上流であります秩父方面の人々
とも遭遇する機会が多いように思われます。
 「見沼田圃」をジオパーク(地質遺産)として活用するためには、地質学発祥の地と
いわれている秩父のもつ文化力に学ぶところが大と考えます。
 
 そこで「見沼文化」秋の収穫祭2010はこのようなパブリック・アーケオロジーの
考え方に基づき、添付ファイル のような「見沼と秩父の基層文化フォーラム」を企画
しましたのでご案内します。
 
 皆様のパブリック・アーケオロジーにご参考になれば幸いです。

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