2010年08月22日受信メール

                                2010年 8月 吉日

パブリック・アーケオロジーに関心のある各位

馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム

馬場小室山遺跡研究会

 

「見沼文化」熱中祭の件(夏休みの課題と報告)

 

馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム馬場小室山遺跡研究会は一

体の活動体制により、2005年から各種ワークショップや公開講演会、市民

交流会などの企画を通じてパブリック・アーケオロジーを推進しています。

具体的には、市史跡・馬場小室山遺跡に学びつつ見沼の自然環境

がもたらす恵みによって地域社会が栄えた人類史を「見沼文化」と

して注目し、後世に語り継ぐべく活動を行っています。

「見沼文化」とは次のようなイメージです。

「見沼田圃」及びそれを眼下に見下ろす台地縁辺の馬場小室山遺

跡など、縄文時代を中心とした有史以前の集落が盛行する現象に着

目し、長年にわたり自然環境に適応し、相互に交流しながら、環境

(気候)変動と対峙し、築き上げた人類活動総体が、「見沼文化」と

して私たちの前にその片鱗を見せていると認識されます。

僅かな片鱗(証拠)から本来の姿を描くのは大変難しいのですが、

「見沼文化」として俯瞰するならば、「見沼田圃」が形成されるまで

の長い人類史としての営みがいろいろと浮き彫りになります。

特に寿能泥炭層遺跡に代表されるように、「見沼田圃」の下はジオ・

パーク(地質遺産)としても極めて重要な遺産が保存されています。

つまり、「見沼文化」とは見沼を取り巻く地質遺産、文化遺産、歴史遺

産を「見沼遺産」として統合し、人類史としてふりかえる地域の中核的な絆

であります。

このように馬場小室山遺跡を理解するために見沼の自然や地形を

理解することからスタートした馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム

は、更に大田堯・実行委員長のリーダシップを得て、「見沼フィールド・ミュ

ージアム構想」に向けた新たな取り組みとしての展開を目指しています。

 

さて、夏といえば「見沼文化」熱中祭です。2009年の熱中祭は、

国立科学博物館のサイエンス・スクエアでジオラマ展示を行い、

3日間で850人以上の参加を得、好評を博しました。

2010年は猛暑・酷暑に見舞われました。そこで「見沼フィールド・

ミュージアム構想」の前進を目指すための地道な検討、並びに地元への

フィードバック活動を以下の通り実施しましたのでご報告します。

皆様の今後の活動のご参考になれば幸いです。

 

―記―

 

1.「さいたま市(仮称)見沼基本計画(素案)」の検討(8/1−8/31)

 

さいたま市は長年にわたる「見沼田圃」に関する取り組みを総合

し、新たに「さいたま市(仮称)見沼基本計画(素案)」を策定し、

8/1~8/31

の日程でパブリック・コメントを求めています。

そこで2010年度の「見沼文化」熱中祭は、8/1の事務局長会

議にて「さいたま市(仮称)見沼基本計画(素案)」の検討を中心的

な議題としました。これまで実行委員各位が「馬場小室山遺跡に学ぶ

市民フォーラム」にて培ってきた「見沼文化」に対する街づくりへの想

いを、具体的にパブリック・コメントとして提案する好機ととらえ

ることにしました。

パブリック・コメントに関する情報

http://www.city.saitama.jp/www/contents/1276045424101/index.html

つきましては2010年度「見沼文化」熱中祭は夏休みの課題とし

て是非とも熱中して検討し、例えば、「市史跡・馬場小室山遺跡を

歴史公園とし、浦和博物館と一体となった運営を整備し、民家園も

四本竹遺跡(縄文時代早期から前期の自然貝層と見沼溜井以前の「御

船祭」)所縁の氷川女体関連資料の展示を追加するならば、第1調

整池から氷川女体神社を経て馬場小室山遺跡までの新たな散歩コー

スとして、「海道をゆく―縄文海進でたどる馬場小室山遺跡―」が

即座に魅力的な企画として浮上します。

このように文化遺産を人類史として活用する発想が企画には必須

・不可欠でありますので、8/31までに皆さんが日頃感じている

歴史・文化・芸術・教育・市民活動面でのご意見をパブリック・コ

メントとされることをお奨めします。

 

2.三室中学校教員向け校内研修会の実施(8/20)

 

三室中学校の研究主題「我が国の伝統や文化を尊重する教育―我

が国や郷土の伝統、文化について理解を深め、尊重する生徒の育成

―」を進める一環として、隣接する馬場小室山遺跡をテーマとした

研修依頼を受けました。

その伏線となったのは、昨年から3年生と1年生の授業で馬場小

室山遺跡を取り上げ、飯塚邦明事務局長と井山紘文さんが担当され

て好評だったことです。

今回は8/20(金)10:30−12:00に三室中学校のコンピュータ

室で講演、図書室でジオラマによる解説を行いました。校長(数学)、

教頭(技術家庭科)をはじめとして45人の教諭に、馬場小室山遺

跡について理解を深めて頂きました。いつもながら、往時のイメー

ジをかき立て、縄文時代の生活を凝縮させたジオラマの効果には頭

が下がります。

尚、ご参考までに当日配布資料の一部を添付ファイル (download→PDF /WORD )としました。

以 上

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