２００６−９−１７（日）　於：三室公民館

参加各位　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「馬場小室山遺跡研究会」事務局

「馬場小室山遺跡研究会」第２４回ワークショップ

（馬場小室山遺跡を中核とした「見沼文化」の解明とパブリック・アーケオロジー２００６の展開）

１．はじめに―馬場小室山遺跡のＰＲビデオ制作とマスコット・キャラクター創作の件―

（１）自主制作ビデオの進捗状況（プロデューサ：浅野光彦、カメラマン：向田吉彦・浅野光彦）

・事務局から馬場小室山遺跡に関する情報を提供し、考古学側からの「馬場小室山遺跡ストーリ」を作成し、それをもとに浅野氏が一般の方々に訴求力のある歴史哲学・教育哲学の覆いを被せた構成に組み立て直し、脚本（シナリオ）を作成中。この過程で一番重要なのは、考古学側とプロデューサとの共通認識の形成。

・シナリオ作成と平行して馬場小室山遺跡を補う撮影を実施中。９／１０（日）は江原英氏のご協力により、栃木県小山市寺野東遺跡の「環状盛土遺構」の撮影、９／１１（月）は取手市埋蔵文化財センターで実施中の企画展において縄文時代後晩期の土器を撮影済み。

・本日は馬場小室山遺跡で井山紘文画伯の絵を持って阿部芳郎氏のコメントを撮影予定。終了後は浦和博物館に移動し、「第５１号土壙」出土の人面文土器などを撮影予定。

　　　　　・２００４年の調査以前の小室山の映像は飯塚邦明事務局長のＤＶＤから、小室山のテーマ曲もＣＤから編集予定。その他、シナリオの説明に必要なカットについても今後対応予定。

　　　（２）「オムちゃん」と「ムロさま」のマスコット・キャラクター創作（デザイン：井山真理）

　　　　・井山紘文画伯のお嬢さんによるかわゆいデザインを披露します。

　　　　　「オムちゃん」は縄文時代後期中葉加曾利Ｂ１式「突起土偶」が原型であるが、かわゆい子供に変身。

「ムロさま」は晩期中葉安行３ｃ式人面文土器が原型であるが、さわらび様のアイディアにより仮面として象徴化。勿論、仮面の色は「見沼文化」に発達する漆芸の黒と赤です。

　　　　・予想を遥かに超えたデザインに驚き、色付け前の原画をコピーし、Ｔシャツにプリントします。

２．第３回「馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム」の準備状況

（１）当日プログラム（別添）

　　　　　　・『月刊　文化財出土情報』１０月号向けにプログラムを確定。

　　　　　　　この雑誌は自治体の埋蔵文化財担当に読者が多いため、参加を募るのが目的ではなく、パブリック・アーケオロジー活動を周知させることが狙い。

（２）小倉均氏による基調講演「馬場小室山遺跡の調査−土偶装飾付土器と人面画付土器が出土したとき−」

・２００４年の調査に勝るとも劣らない第３次調査と第５次調査についての報告。何といっても２０年以上前の「第５１号土壙」の調査状況が報告されるというレアもので、期待が大きい。

・アンケートの中で質問時間が欲しいという声があったので、今回は小倉氏の講演の後に齋藤弘道氏を司会に座談会を構成し、最初の１５分くらい質問を受け、考古学一般のことは阿部芳郎氏、馬場小室山のことは小倉氏に回答してもらうことを目論見中。馬場小室山遺跡をテーマとした交流を一歩前進させたい。

その後、３０分くらいで馬場小室山遺跡について学ぶべきことを議論し、課題や展望について纏める。

　　　（３）市民配布資料の作成

・今回は表紙と裏表紙をカラー印刷とする。表紙は５枚セットのうちの集落俯瞰図、裏表紙は第２回のモノクロの表紙（「小室山西斜面　収穫の秋（１０月）」）を背景にしてマスコット・キャラクターがうまく配置できると楽しい。飯塚事務局長に無理をお願いしています。

・小倉氏には三室中学校ができる前の遺跡遠景や「第５１号土壙」の調査風景など、今となっては見ることのできない写真の掲載をお願いしています。

・蕨俊夫氏がテープ起こしの労をとってくださった大田尭先生による実行委員長挨拶２回分も、既に大田先生の朱が入り、飯塚一恵氏が校正中。その他、お楽しみ企画あり！！

３．馬場小室山遺跡入門講座―「見沼文化」における漆芸の発達―

　　　・縄文時代後晩期の「見沼文化」を研究し、成果を再び地域に還元するパブリック・アーケオロジーを目指しているが、来年度のために馬場小室山遺跡と同時に存在した寿能泥炭層遺跡について研究を開始した。

　　　・８／２２（火）〜８／３１（木）のうち５日間をかけ、熊谷市にある埼玉県埋蔵文化財調査事業団に通って寿能泥炭層遺跡の資料調査を行ったので、先ずは報告書による概要（【寿能−１】から【寿能−１４】資料参照）を紹介する。具体的な「加曾利Ｂ式」における土器と漆芸に関する研究成果については順次纏めて公表していく予定。　　埼玉県教育委員会（1984）『寿能泥炭層遺跡発掘調査報告書―人工遺物・総括編―』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以　上