【さいたま市議会 2004.12.13(月) : 平成16年12月定例会】 本会議 市政に対する一般質問 <岡真智子市議>

◯岡真智子議員

 自治ネットの岡真智子です。

(中略)

 次に、小室山遺跡を市指定遺跡とすることについて、さきの議員も同趣旨の質問をいたしておりますが、重複しない範囲で質問させていただきたいと思います。
 さきの質問にもありましたとおり、全国的にも大変貴重な遺跡であり、今年11月に同じような形態で国指定となった井野長割遺跡よりもさらに価値が高いと言われているものです。その保全が何よりも大切だと思われます。以上の立場から3点お聞きします。
 第1に、さいたま市内には、文化財保護法で埋蔵文化財包蔵地と言われる遺跡は現在どのくらいあるのか。この件数と概要について、まずお聞きします。
 第2に、馬場小室山遺跡への評価及び現行の行われている発掘調査の成果と現状について、先ほど一部御答弁がありましたけれども、詳しくお話しいただきたいと思います。
 さらには、第3点として、この馬場小室山遺跡の東側隣接市有地について、先ほど教育長は、市指定史跡として指定する方向で答弁をされました。大変安心をいたしましたが、加えて、この市有地を活用して、例えば散策路をつくり、小室山遺跡の説明や遺跡、出土土器のパネルなどを展示して、市民に公開してはどうかと考えます。さらに、その際、既に地元公民館では、来年度から地元の人たちが中心になって馬場小室山遺跡の勉強会が始まるようです。地域には有能な人材が多くいるわけですから、地域住民とのコラボレーションで管理及び遺跡説明等できるはずだと考えます。単なる保存にとどめるのではなく、市民と協働のまちづくりに大いに利用してはどうかと考えますが、この点についても御答弁をいただきたいと思います。


◯臼杵信裕教育長

 2 小室山遺跡を市指定遺跡とすることについてお答えいたします。
 まず、1点目の埋蔵文化財包蔵地の件数と概要についてですが、さいたま市内には、現在およそ900か所の埋蔵文化財包蔵地が確認されております。これらは、およそ3万年前の旧石器時代の集落跡にはじまり、縄文、弥生、古墳、奈良、平安時代の集落や墳墓、戦国時代の館跡なども含まれ、さいたま市の住みやすさをあらわしているかのごとく、遺跡の多くが幾世代もの生活跡が重なる複合遺跡であります。
 次に、馬場小室山遺跡の発掘調査の成果と現状についてですが、馬場小室山遺跡は、緑区大字三室地区にあり、およそ4万平方メートルの埋蔵文化財包蔵地とされております。開発に伴う発掘調査は、既に昭和44年から32回にわたって実施され、縄文時代中期から縄文時代晩期の集落などが調査され、縄文土器をはじめ、土偶破片、耳飾りなども見つかっており、村の成り立ちを考えるうえで重要な遺跡の一つであります。
 次に、東側に隣接する市有地の扱いにつきましては、さきの議員にも申し上げましたが、今回の発掘調査を受けて、集落遺構等の広がりが認められますので、関係部課並びにさいたま市文化財保護審議会の意見等も踏まえ、さいたま市指定の史跡として保存できるよう検討しております。
 また、地元の方々による管理、遺跡の説明等につきましては、今後、研究させていただきます。
 散策路等の活用についての御提案がございましたが、ほかの文化財施設、公園等の事例も研究し、当該地区の環境、防犯等にも配慮した形で十分これから検討をさせていただきます。

 

(中略)


 3 埋蔵文化財保護行政、(1) 遺跡保存に当たっての行政の責任と意義について、お答えいたします。
 平成10年9月、文化庁次長通知「埋蔵文化財の保護と発掘調査の円滑化等について」の中で、先ほど御指摘がございましたが、基本的事項といたしまして、埋蔵文化財は国民共通の財産であり、地域の歴史と文化に根ざした歴史的遺産であり、地域の歴史、文化環境形づくる重要な要素であるため、基本的に各地域で保存、活用などの措置を講ずる、このように示されております。教育委員会といたしましては、今後とも、この通知に示された理念と意義に基づき、埋蔵文化財行政を進めてまいります。
 また、馬場小室山遺跡において、さいたま市遺跡調査会が実施した発掘調査では、住居跡、土坑、盛り土遺構の調査を完了したとの報告を受けておりますが、さいたま市域で行われているほかのさまざまな時代を解明する発掘調査と同様に、大きな成果を上げたものととらえております。
 次に、(2) 馬場小室山遺跡保存についてですが、東側に隣接する市有地の扱いにつきましては、今回の発掘調査の成果を受け、関係部課並びにさいたま市文化財保護審議会の意見等も踏まえ、さいたま市指定の史跡とする方向で検討しております。

 

出典 さいたま市議会会議録 2004.12.13 : 平成16年12月定例会

 ※批判のためここに引用する。なお便宜上、マーク、太字、リンク等を加えた。
 上記の質疑にいたるまでのおよそ一年の間、何が起き、何が行われなかったか、ばんばおむろ山これまでの出来事(詳細)等にまとめられている。

 この質疑応答の問題点は、鈴木氏提供の速報 および朝日新聞朝刊・さいたま版2004年12月14日 「馬場小室山遺跡 市有地分を市史跡指定へ」を参照されたい。なお質疑応答の概要は市議会だより(PDFファイル)にも掲載されている。

 

鳥海議員の質疑

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