20041019

さいたま市教育委員会 文化財保護課 小山 広行 課長 

(ご参考:さいたま市議会議員 高柳 としや 様 、 岡 まち子 様)

(ご参考:日本考古学協会会長→埋蔵文化財保護対策委員会委員長→委員各位)

日本考古学協会会員

鈴木 正博

馬場小室山遺跡への文化財保護法適用の件(要望書)

 

10/18(月)に貴長及び貴管下担当者殿と10/16(土)付要望書および10/17(日)付要望書の件で打ち合わせしました。その結果、新たに次の2点につき、さいたま市教育委員会の立場を確認することが出来ました。

相互の認識のズレを早期に確認するコミュニケーションを怠ったことは残念ですが、その2点につきましては文化財保護法に基づいた実業務として看過できない由々しき問題を孕んでおり、ここに新たに要望書として纏めておく次第です。

 

第1点は、さいたま市教育委員会の立場では、馬場小室山遺跡の学術上の価値は他の遺跡と同等であり、業務処理に特に「学術上価値のあるもの」についての重要性は配慮する必要がないとの認識を明らかにされました。10/17付要望書に「馬場小室山遺跡が最大の危機に直面している非常事態に至ったのは、馬場小室山遺跡の重要性が貴長及び貴管下職員に周知されていなかった点が最大の原因です」と裁断しましたが、史跡指定の基準は「学術上価値のあるもの」と明記されており、その重要性に配慮しない立場では、史跡の指定という文化財保護業務を放棄せざるを得ず、文化財保護法の運用を否定して業務遂行する姿勢は如何なものか、と思われてなりません。特に試掘調査による判断に学術上の価値を検討しない姿勢は、早急に改めて頂きたい。

第2点は、さいたま市教育委員会では発掘調査の終了に伴い、現在事業者による工事が進行している地区を遺跡とは認めないとの立場であることが確認できました。そのため、研究者ボランティアなどが「盛土遺構」の頂部を中心とした「残存埋蔵文化財」の取り扱いを要望したときに、事業者に対して注意を促す程度の指導に止まった点が漸く理解できました。その立場に対しては、改めて文化財保護法の適用により遺跡であることを発見します。

 

そこで、さいたま市の埋蔵文化財保護行政における上記2点の異常事態をあるべき姿へと転換するため、下記の通り、文化財保護法に則った業務遂行を強く要望します。

 

― 記 ―

 

1.馬場小室山遺跡における「学術上価値のあるもの」の再認識と全国への情報公開

   1−1.旧浦和市教育委員会によって明記された「学術上価値のあるもの」に対する文化財保護業務の継承

・既にご説明しましたが、これまで長きにわたる調査で明らかにされた馬場小室山遺跡における「学術上価値のあるもの」の重要性とその出土にかかわる史跡としての意義を再認識頂きたい。

   1−2.今回調査にかかわる資料の早期整理と報告書作成による「学術上価値のあるもの」の再確認と情報公開

       ・さいたま市遺跡調査会と研究者ボランティア等により今後の整理を効率的に進め、「学術上価値のあるもの」

を明確にした報告書を作成、馬場小室山遺跡の価値を一層明確にするように全国へ情報公開して頂きたい。

 

2.現在工事進行地区における馬場小室山遺跡の「発見の届出」対応の効率化・迅速化

    10/17付要望書で「残存埋蔵文化財」取り扱いへの「危機管理を、市教委・地域住民・研究者ボランティアが一体となった体制として強化・実施」する旨明記しました通り、ボランティア体制にて文化財保護法第57条の適用推進を強力に進めたく、「発見の届出」に対しては、効率的な事務の遂行及び事業者への迅速な対応に注力頂きたい

                                                       以 上

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