20041011

さいたま市教育委員会 文化財保護課 小山 広行 課長 

(ご参考:さいたま市議会議員 高柳 としや 様)

(ご参考:日本考古学協会会長→埋蔵文化財保護対策委員会委員長→委員各位)

日本考古学協会会員

鈴木 正博

 

馬場小室山遺跡の「残存埋蔵文化財」取り扱い緊急事態対応の件(要望書)

 

 馬場小室山遺跡の文化財保護につきましては、10/7(木)にこれまでの経緯と研究者ボランティアの成果報告書、及び今後の対応に関する要望書として取り纏め、ご提出・ご説明させて頂いたところであります。

 

 貴長及び貴管下担当者殿には文化財保護の観点で、この緊急事態に対し、迅速にご対応頂いているものと推察しておりますが、10/7会議の進行をつぶさに分析しますと、緊急事態への対応に無為無策の諦観の印象も、また拭えません。

 

 そこで調査区南側の奥まった高まり部分調査未了地区(調査区全体積の20%)につきましては、別添の通り、10/7会議後に改めて貴管下担当者にご相談の上、直接事業者に対して埋蔵文化財保護への一層のご協力をお願いすることにしましたので、ご承知置き頂きたく。

 

 一方、10/7にご説明させて頂きましたが、10/11(月)現在でも以下の通り、調査未了区の取り扱いに「残存埋蔵文化財」として大きな懸念がありますので、文化財保護の立場からリスクマネジメントの対象とし、緊急事態としての状況を十分ご賢察の上、事業者に対して毅然とご指導頂きたく、何卒よろしくお願いします。

 

                    ― 記 ―

 

1.                             馬場小室山遺跡の発掘調査区におきましては、10/11(月)時点で調査未了区(調査区全体積の20%)が残されております。

特に調査区南側の奥まった高まり部分には縄文時代後期から晩期にかけての包含層が未発掘のまま残されており(「残存埋蔵文化財」と呼称)、この埋蔵文化財の取り扱いが懸念されます。

 

つまり、事業者が調査区南側の奥まった高まり部分の土を、どこか他所に移動しますと、その土の中には多量の埋蔵文化財が混入しており、他所が新たな遺跡として誤認される恐れが多分にあります。

 

そこで、「残存埋蔵文化財」取り扱いには、改めて事業者に対して毅然とご指導頂きます様、10/11時点の状況から切にお願い申し上げます。

 

  尚、「残存埋蔵文化財」取り扱いへの対応は、大掛かりにするようなコスト依存型ではなく、貴管下の試掘調査担当や研究者ボランティア、あるいは市民ボランティアを効率的に活用することにより、十分対応可能と思量します。

 

                                              以 上


(管理人追記)2005年3月13日、見沼田んぼに馬場小室山遺跡の埋蔵文化財が移動されていることが確認された(→現場写真)。つまり上記文書の警告していた事態は現実となってしまった。

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