山の歴史的景観 (千葉市緑区平山)

 


平山谷地

 

2003年2月撮影

 

*文字を明瞭に出すためPNGファイルを使用し減色しています。
 画像は粗くなっています。

 

■ 橋作(平山町・高有道)からの景観



 平山字「橋作」よりの景観。平山谷地である。中央の道は「高有道」と呼ばれる古道である。正面中央の集落があるあたりが「向町」(ムケエチョウ、向丁とも表記)である。左の字「木戸脇」(ケドワキ)は、山下七郎兵衛吉継1705によれば、平山城の「遠曲輪」であり木戸がたっていたという。写真撮影地点の足元(背後の台地すそ沿い)に仁戸名川の支流が流れているが、それに並行するように前方の台地側にも一筋、仁戸名川(支川都川)の一支流が右から左へ流れていた。いずれも写真左の木戸脇の先の現在の平山大橋付近(字大橋戸)で、菱名側を流れていた仁戸名川支流と合流する。「大橋戸」にかかっていた橋については山下七郎兵衛吉継1705に「城盛りなりし比は引橋なり」とあるが、この引橋の場所は、この合流点である可能性もある。この合流点を眼前に見る対岸付近が平山城主家臣、菱名日向守の屋敷跡と伝わる「向菱名(ムケエビシナ)である。

 

平山谷地
 斉藤正一郎1999によれば、長さ3.8km.湧水は多く一日3000トンで、湧泉2。水源谷地としての総合評価で「健在」とされる市内でも貴重な谷地である。遺憾なことに平山妙見下付近でゴルフ場から異臭のする汚水が流入している。斉藤正一郎1999はすでにこの汚水流入について警告しているが、現在も事情は変わっていない。関係方面は対策を講じなければならない。
●高有道
 地元の人がタカアリミチと呼ぶ。蘇我野(東京湾岸)―大厳寺(生実の北隣)―赤井―土気往還(大網街道)―平山―東金道(旧)と結ぶ古道。中世にどれほど機能していたか、不明だが、立堀城との関連で注目される道。菱名台貝塚―台畑貝塚―築地台貝塚と結ぶ点でも注目される。確かめることは困難だが縄文人たちが使っていた道かもしれない。
●木戸脇
 平山城の盛時には「遠曲輪」であり、木戸が立っていたという。
●広徳院遺跡
  山本七郎兵衛1705によれば現在の東光院の西に位置する。廃寺跡であり、布目瓦が出土する。東光院の前身である寺院があったところといわれている。
築地台貝塚
 廃寺跡であり中世の館址でもある。 縄文貝塚についてはこちら
●東光院と東光院館址
 旧名東照院。真言宗豊山派。江戸時代初期、東照神君家康の名と重なることから、改名を許された。本尊は七仏薬師坐像。平安時代の作、千葉県指定有形文化財。そのほかかつて山門内に置かれていた毘沙門天像など平安時代から南北朝時代の仏像を安置する。
 東光院境内と裏山は館址でもある。『千葉市史』等によれば、「土塁・腰曲輪・物見」があったとされる。千葉市1985は「平山城の支城か」とする。わずかしか見ていないが、明瞭な遺構は確認できなかった。昭和54年頃からの本堂裏の墓地造成で消滅してしまった可能性がある。
向菱名
 山本七郎兵衛1705によれば、平山城主の家臣、菱名日向守の屋敷跡である。具体的にどの場所か、どの文献にも記載がなく不明であったが、今回、地元住民に聞き取りをし、ほぼ特定することができた。また「日向守」の名を出さず「向菱名とはどういうところか」と地元住民に尋ねたところでは、「菱名日向守の領地と聞いている」と返答であった。菱名日向守という固有名詞がたしかに現在の地元に伝わっていた。なお江戸時代の絵地図(『千葉市図誌』)に立堀城とほぼ同じ大きさで同じような方形の記載をした個所が付近にある。地元住民から教えてもらった地点とズレるが、菱名日向守の屋敷跡を示したものかもしれない。

 

 

平山の歴史的景観

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平山の縄文時代を歩く 2003年2月23日(日) 遺跡めぐり
主要参考文献【千葉市緑区平山】
 

 
(本文での出典は原則として著者名+発表年によります。より詳しい出典の情報はこちらをご参照ください。)
1/25,000地形図:

蘇我(北西)  蘇我(北東)
立堀城      平山城、長谷部貝塚

国土地理院の試験運用ページ。地形図閲覧システムの利用規定に注意。閲覧以外の利用はできません。

◆立堀城の位置:北緯35度34分25秒,東経140度10分41秒 鎌取インターチェンジの北東約200m。

◆平山城の位置:北緯35度34分17秒,東経140度11分32秒 袖ヶ浦カントリークラブの北対岸。

 

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