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シンポジウム 「顔晴れ、東北魂!―馬場小室山遺跡からのエール―」
1.趣旨
さいたま市史跡・馬場小室山(ばんばおむろやま)遺跡は縄文時代の「見沼文化」における中核的な集落ですが、環境(気候)変動に対する適応戦略に顕著な特徴が見られます。縄文時代早期末葉は「海の環境」、縄文時代中期には「汽水の環境」、そして縄文時代後期から晩期の「沼沢の環境」へと変化しています。
特に第51号土壙から出土した人面文土器「ムロさま」は大宮台地とその周辺における縄文時代晩期の象徴です。晩期は寒冷化のピークとされ、馬場小室山遺跡でも冷涼な気候に強い東北地方の文化的な影響を強く受けています。しかも馬場地区で検出された住居址には円形(東北系)と方形(在地の安行系)の二者が見られますので、その影響関係は単に文物の交換にとどまらず、集団による移住と交流が考えられます。
こうして馬場小室山遺跡第51号土壙の時期が、在地の安行式文化を基盤として東北地方の亀ヶ岡式文化の影響から成り立つ集落構成を形成していることに注目するならば、東北地方の文化は決して遠い存在ではなく、いつも共に在るような強い絆で結ばれていたかの現象さえ見出せます。あるいは「ムロさま」の繁栄は東北地方からの文化系統がもたらした環境適応を背景としたことも考えられます。
その馬場小室山遺跡に立っているわたしたちにも三陸に育った者や水戸市などで被災した者がおります。そこで、3・11東日本大震災の大津波被災を自分たちの眼で事実として受け止めるべく決意を固め、掲題のシンポジウム企画に至りましたので、以下にてご案内します。
地域文化の多様性と効率重視による現代社会の画一性という二律背反の現状を改めて思い知らされた衝撃は大きく、現場にて「事実を知る」という考古学の方法を通して地域文化を後世に継承すべく、現在と先史をお伝えします。微力ながら復興に向けての馬場小室山遺跡からのエールは「顔晴れ、東北魂!」です。
2.日時 : 平成23年11月13日(日) 9:30−11:50
3.場所 : さいたま市地域中核施設 「プラザイースト」2F多目的ルーム
〒336−0932 さいたま市緑区中尾1440番地8 phone:048−875−9933
【交通】JR武蔵野線例:「東浦和駅」:国際興業バス「浦和駅東口行」10分「緑区役所入口」下車
4.内容 :
(9:20 開場)
9:30 開会挨拶と趣旨説明
鈴木 正博 (馬場小室山遺跡研究会)
9:40 【基調報告】 「3・11東日本大震災から8か月、今、三陸の地域文化は?」
齋藤 瑞穂 (新潟大学)
【概要】文化財レスキュー体験から学んだ岩手県山田町における津波災害と地域文化としての適応戦略などについて報告します。
10:15 【パネル・ディスカッション】 「三陸先史遺跡の底力!―馬場小室山遺跡からのエール―」
【概要】岩手県は世界遺産の「平泉文化」で注目されています。一方の東日本大震災による大津波被災地である三陸は「三閉伊一揆」で著名な土地柄で、この反骨精神は今日でも脈々と生きています。その三陸魂を先史の「基層文化」に求めるべく、大津波による被災を何度も乗り越え形成された三陸先史遺跡の動向に注目します。
司会 : 齋藤 弘道 (牛久市文化財審議委員)
パネリスト : 五十嵐 聡江 (葛飾区郷土と天文の博物館)
【課題】7〜8世紀の「末期古墳」から三陸の古代社会に迫ります。
齋藤 瑞穂 (新潟大学)
【課題】弥生文化と遺跡の津波跡から三陸の弥生社会を考えます。
鈴木 正博 (馬場小室山遺跡研究会)
【課題】貝塚の特徴から三陸の縄文文化と環境適応を導きます。
11:40 閉会挨拶と「飯塚邦明ジャズピアノコンサート」のご案内
井山 紘文 (画家)
(11:50 閉場)
5.参加方法 : 申し込み不要で先着100名 【参加 無料】
6.問合せ先 : 馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム事務局
36-0911
7.次回予告 : 2012年1月9日(成人の日) 9:50〜16:40 於:「プラザイースト」2F多目的ルーム
「見沼文化」2012新春感謝祭/AM:「かすかな光へ」上映会 PM:「弥生時代の「見沼文化」」シンポジウム
以 上
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