平成21年 6月 8日

馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム

国立科学博物館による2009夏休みサイエンススクエアと馬場小室山遺跡ブース」のご案内

1.馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムの趣旨

 

(1)馬場小室山遺跡を中核とした「見沼文化」の解明―「第51号土壙」の「ムロさま」と「環堤土塚」集落―

馬場小室山遺跡は極めて保存の良い縄文時代後晩期集落であることが判明し、2005年3月29日にさいたま市史跡となりました。それ以前から市民とともに勉強を進め、遺跡の価値と構造を「環堤土塚」と呼ぶことを提案してきました。それは晩期を中心とした集落構成で、多世代による長期に継続した集落の典型的な姿でした。しかも晩期集落を維持してきた特徴ある風習が巨大な「第51号土壙」に象徴されていたことも判明しました。希少な「安行3c式」人面文土器の「ムロさま」が集落としての価値を象徴しています。

【参考文献】『「環状盛土遺構」研究の現段階―馬場小室山遺跡から展望する縄文時代後晩期の地域と社会―』(2007馬場小室山遺跡研究会発行):「六一書房」(Phone:03-5213-6161)で頒布しています。

 

(2)「見沼文化」と漆工芸の発達―「オムちゃん」土偶の後期中葉は漆アグロフォレストリ計画集落を形成―

さいたま市における縄文時代後晩期遺跡の中で特筆すべきは見沼低地をのぞんだ集落の形成と展開です。見沼という自然環境に適応し共生した縄文人の叡智としての漆工芸は、「オムちゃん」土偶の後期中葉に発達し、正に「見沼文化」に相応しい漆アグロフォレストリ環境です。「見沼たんぼ」のルーツとなる考古遺産が豊富にあり、街づくりには地域資源としての活用と環境の見直しが強く望まれています。

 

(3)パブリック・アーケオロジーの日本における実践の意義―遺跡の保護・活用を推進する「考古市民学」―

第1回(2005年10月2日)からすでに第5回(2008年10月19日)と続いてきました「馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム」では、行政と市民、そして「学術・芸術ボランティア」が互いにパートナーシップで協力・発展し合う姿をパブリック・アーケオロジーと提案・実践しました。そこでは馬場小室山遺跡の重要性を広く市民と学習し普及に貢献すると共に、21世紀における地域経営資源である考古遺産の保存と活用を推進し、「街づくり」への貢献を地域アメニティの向上によって達成すべく、「見沼文化」という人類史的な地域文化の再認識とその継承の重要性について継続的な研究と普及活動を展開してきました。

 

4)「市民に学ぶ考古学」とパブリック・アーケオロジー研究法の構築―到達点はジオラマと「みぬまっぷ」―

パブリック・アーケオロジー研究としては、考古学を市民に解放することを理念と目標にしました。この目標は音楽や絵画という創作活動に接することから生まれました。芸術家による感性や観察を考古学の成果に組み込むことによって新たなシナジー効果を創出する試みへと発展させることを目指しました。考古学を学ぶ市民の姿に接するたびに、理念を支える学問基盤としてのパブリック・アーケオロジー研究法の構築も希求されました。試行錯誤の結果、シナジー効果の到達点としては市民側からの精密なジオラマ製作が実現し、考古学では「みぬまっぷ」による静態Mapから動態Mapへの成長となりました。

 

このような活動の継続により地域住民間の絆を大切にしようと考えていますが、他方で埼玉都民という意識も根強い風土であり、馬場小室山遺跡の最先端パブリック・アーケオロジーを東京に出前しますので、ご案内します。

 

2.日時 :  平成21年 7月31日(金)〜8月2日(日)  10:00−16:00(3日間とも同じ内容です)

 

3.場所 :  国立科学博物館 日本館1階北翼 企画展示室

(2009夏休みサイエンススクエア担当phone:03−5814−9862)

【交通】JR上野駅から徒歩8分

 

4.内容 :  テーマ:「親子で探検、これが縄文むらだ!」(小学生は親子、中学生以上は同伴無用)

         馬場小室山遺跡のジオラマと「みぬまっぷ」によるギャラリートーク(3回/1日、45分/1回)

 

5.参加方法 : 申し込み不要/随時入場可能/馬場小室山遺跡は参加費無料

(但し、ギャラリートークはブースの関係で受付先着順・整理券配布予定)

6.問合せ先 : 馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム事務局

336-0911 さいたま市緑区三室1972−9 東大能研内

広報ホームページ「さわらび通信」:http://homepage1.nifty.com/sawarabi  以 上

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