貝塚資料

貝塚でみつかったクジラの脊椎骨

左:東寺山貝塚出土 右:月ノ木貝塚出土

月ノ木貝塚
所在地 千葉市中央区仁戸名町字月ノ木
占地状況 台地先端部
主な土地利用 大半は緑地として保存。台地北東側はかつてモーテルが建設された。現在荒地。台地基部は宅地、道路で削平。指定範囲外の南側の畑・荒地に貝殻散布がみられる。
形状・規模 馬蹄形(東西150m,南北200m)
指定の有無 国史跡指定1988年3月16日。
貝の種類 ハマグリ、アサリ、シオフキ、キサゴ (貝層は高密度)
貝塚の時期;土器型式名 縄文中期、後期;加曽利E、堀之内、加曽利B
発掘調査歴 1951年 武田宗久
人工遺物 土錘、打製石斧、磨製石斧、石皿、凹石、石鏃;骨鏃、耳栓、猪牙製斧
魚骨・獣骨 タイ、エイ、フグ、クジラ脊椎骨;イノシシ、イヌ、
文献 加部厳夫「古器物見聞之記」『好古雑誌』1882年。
後藤和民「原始集落研究の方法論序説」『駿台史学』27号1970年。
酒詰仲男『貝塚に学ぶ』1977年。
武田宗久「原始社会」『千葉市誌』1953年。
武田宗久「千葉市月の木貝塚」『日本考古学年報』4号。
千葉市教育委員会「月ノ木貝塚」(星久喜町)『千葉市の文化財』1961年。
千葉市教育委員会『千葉市史 資料編』原始古代中世 1986年。
日暮晃一「活動記録」『貝塚研究』3号1998年。
堀越正行「縄文時代の集落と共同組織」『駿台史学』31号1972年。
そのほか 1951年の発掘によると貝層の厚さは1.5mに達する。

ハマグリが主体でキサゴがそれにまじる程度である点、また貝層がきわめて緻密である点、都川右岸の貝塚とくらべて、顕著な違いがある。

東側、細い谷地(仁戸名谷津)をへだてた台地の先端部にへたの台貝塚がある。さらに台地の北西側の下の低地に道免貝塚がある。3つの貝塚は時期的に重なっており、相互の関係がどうであったかが重要な問題である。

タカラガイ製加工具、円形に加工したアワビをはめこんだ土製耳飾りなどのめずらしい装飾品、クジラの脊椎骨の出土も注目される。

複合遺跡 中世の城郭址でもある(月ノ木砦址)。台地基部にはかつて古墳群があった(取林古墳群)。

(主に参照した文献)

千葉県教育委員会『千葉県所在貝塚遺跡詳細分布調査報告書』1988年
日暮晃一「活動記録」『貝塚研究』4号1999年。

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